whitefanglove’s blog(編集中)

自分のお出掛けした際の主に食べたものと温泉の忘備録です(現在まだ某所からの引っ越し作業中です)

奈良の山間に本格的なお蕎麦あり

一如庵
奈良県宇陀市


名阪国道の針ICからひたすら山に向って突き進みます。なんだか、道沿いに店どころか家もなくなりかけた自明のバス亭のちょっと先に、一如庵さんの看板というか案内がありました。

お店の目の前は道路を挟んで小川。裏手は山のようになっており山間ののどかな自然環境のなかにあります。蕎麦に大切な水も良さそうな環境です。

もともと実家を改装してお店として提供されているということで、まさに旧家の親戚の家にお邪魔するような、どこからが実家だったのか、どこからがお店なのかよくわからない感じで入店いたします。

扉をあけて、1段上がって大広間のような場所がお食事処のようです。囲炉裏の前に腰掛けます。
壁にかかる年代物の時計とあわせて、奈良市の名店玄さんを彷彿させるのですが、あそこよりも開放的で、のどかな印象。
広間の横は縁側になってあり、あうとびあんき様のレビュー通り、季節によっては、太陽の下、縁側でいただくお食事もまた楽しからずや、といったところ。

まずは蕎麦チップスが供される。厚めでザクッとした歯ごたえ。味付けは薄め。

メニューは、お蕎麦としては2種類。もり蕎麦(900円)と手挽き蕎麦(1100円数量限定)。
説明によると、違いは、手挽きは蕎麦の外側の殻が入っているもの、もりは、抜いたものだそう。

また膳と呼ばれるコースがあり。
突き出し、もりそば、玄米ご飯からなる”一の膳”。(1600円)
上記に、碗物、油物、デザートがつく”二の膳”。(3000円)
上記にさらに一品もの、手挽き蕎麦がつく”夜の膳”。(5200円)

なお、二の膳以上は2名以上で前日までの予約制。

とくに予約はなしで1人ですので”一の膳”を選択。
と、追加で、せっかくのなので、手挽き蕎麦もいただくことに。

接客は、たどたどしさと、真摯な一生懸命さが伝わってくるもの。
ゆっくりと、この時間を享受しましょう。

上でいう突き出しにあたるものとして、大根と麩を炊いたもの、フレッシュトマトの黒豆ソース、椎茸のみぞれ、雷豆腐。突出したものはないですが、田舎の味というか、それぞれ手間暇こめて作られたことがわかる心温まる優しいもの。

もり蕎麦。綺麗に盛られた細麺。うっすらと緑色かかった、それをいただくと、水切りもしっかり、喉越しと弾力が非常によく、店主はまだまだお若いといった感じなのに、非常に高い技術を感じさせます。

つゆのほうは単独で飲んでみると押しが弱いかな?と思ったのですが、蕎麦でいただくとちょうどよいバランス。このお蕎麦を引き立てるために合わせているとするのならベストマッチといったところでしょうか。

手挽き蕎麦。表面によくみると粒粒があるかなというくらいで、あまり、もり蕎麦との差はよくわからなかった。殻を挽いているということですが、黒々とした田舎蕎麦のようなそれを想像すると肩透かしをくらうかも。さきほどの、もり蕎麦を主として、その延長上にある玄蕎麦というべきでしょうか。

こちらには、つゆ、辛味大根、塩がつきます。お好きなものでお食べください、とのこと。どこかのお店のように、これはこれで食え!みたいな強制ではなく、好みで好きなものを選んでいいのは嬉しいですよね。

お蕎麦のほうは、けっこう、ぎゅーっと盛られているような感じですが、量的には食通向けの蕎麦さんにありがちの少な目。

最後に小豆玄米ご飯。もちもちとして、赤飯とおこわの中間のようなものでした。味付けはやはり自然のままに、といった感じでした。〆じゃなくて、途中のどこかで出てきたほうが個人的には良かったかなぁ。

より、お蕎麦の完成度の高さに感動しましたので、膳スタイルと一品物に何か工夫いただけたらと思うのですが、現状として、お値段差を考えたら膳を選ぶほうが良いでしょうね。